臓器を全て抜き取られた死体が発見される。警察はすぐに捜査するが第二、第三の事件が起きてしまう。全く接点の無かった被害者達だったが刑事の犬養隼人（いぬかい はやと）は一つの接点を見つけ……という作品。
切り裂きジャックという殺人者を追い一つ一つ真実に近づいていきなんとなくの推理はしていましたが、最後のほんと終盤になるまで犯人が分かりませんでした。本格ミステリーでミステリーとしては完成度が高かったと思います。
※次に印象に残った作中のシーンを書きます。ネタバレ注意。
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「あの……不躾なお願いだけど、もし迷惑でなければその心臓の音を聞かせてくれませんか？」
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「ありがとう」
女性はおずおずと、しかし期待に満ちた素振りで敬介の胸に顔を寄せてくる。
やがて女性の耳が敬介の胸に当てられた。
その途端、胸の奥からじわりと温かいものが広がった。
女性はすっかり安堵したような表情でこう言った。
「生きているのね……良かったねえ。良かったねえ……」
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最後にこの文章を読んだ時は感動で思わず泣いてしまいました。
綾野剛が主演した映画「ドクターデスの遺産」の原作、「刑事犬養隼人」シリーズの一作目ということもあり、これからのシリーズの続刊も読みたいと思います。
皆さんもよろしければぜひ読んでみてください。
