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『ホワイトデス』(小説) まさに読むサメ映画! 瀬戸内海に入り込んだ狂暴なサメ達が人間を襲う! なぜサメ達は瀬戸内海から出ていかないのか!? (感想) 

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穏やかな海であるはずの瀬戸内海に、大型のサメが目撃されるようになる。大型のサメの腹を満たすような大量のエサがあるわけでもない瀬戸内海なので、最初は誰しもすぐに外の海に出て行くだろうと考えた。しかし、サメは一向に出て行かず、次々と漁場を荒らし、人間達も食い殺していく。なぜ、サメ達は出て行かず瀬戸内海にとどまるのか。追い出せないなら、駆除するしかないのか……という作品。

 


頭の良い「ヘラ」、飛び上がることが得意な「ロキ」、巨大な「トール」という三匹のサメがおり、それぞれの得意技で人間達を捕食していきます。その様はまさに読むサメ映画。しかし、サメ映画とは違った恐怖と興奮が小説という媒体で味わえます。

 


大学生で、海洋生物保護団体「SML」のボランティアをしており、海洋生物の保護に情熱を注ぐ「水内湊子(みずうち そうこ)」と、漁の最中に一緒に漁をしていた息子をサメに食い殺された漁師の「磐井盛男(いわい もりお)」。三人称で様々な人物の視点で話が進む本作ですが、主にこの二人の視点で物語が進みます。この二人が主人公と言っていいでしょう。

 


絶対にサメを守ろうとする湊子と、絶対にサメを殺そうとする盛男。対立する二人がどうなるか、最終的に起きた結果に、色々と考えさせられます。

 


人間を食い殺すサメ達。いつしか、そのサメ達を使って観光など、金儲けを考える人間達が出てきます。よそ者はともかく、サメにより漁ができず生活が困窮したためサメ達を使った金儲けをする漁師達には少し仕方ない気もしますが、その人間達の様子にはこれでいいのかと違和感を覚えます。

 


サメが出て行かず人間達を食い殺す……それだけでは無い、なんでもない会話や話が伏線になっていたりもする、最終的に壮大なスケールの展開が繰り広げられる物語となっています。

 

 

「こいつ、早くサメに食われねえかな……」と思う奴が大体食われるので、カタルシスも感じられると思います。

 


私たち人間は海に出て魚を獲り、その魚を食べて自然の恩恵を授かっている。しかし、本来の住処である陸上から住処では無い海まで我が物顔で活動している我々人間の行いには少し考えさせられる、そんな小説でもありました。

 


私は本作を本屋で見かけ「面白そう!」と直感で買ったのですが、『ブルシャーク』という前作があるらしくそちらも読んでみようと思います。前作と言っても読んでないと話が分からないということはなく実際私も読み終わるまでなんの違和感も無く読むことができました。「シリーズものなら最初から読まないと!」となる人もいると思いますし気持ちは分かりますが、何回も言うようですが本作を最初に読んでもまったく問題が無いのでシリーズものだからと気にせずぜひ読んでいただきたいです。

 


500ページ近い大ボリュームの物語となっておりますので、ハラハラドキドキする壮大な物語を所望している方に超オススメの本です。

 

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