『屍人荘の殺人』（小説）　今までのミステリーには無かった〇〇が登場する……！？　新感覚のクローズドサークル！　（感想）

※本作は絶対知らずに読んだ方が面白いため、重大なネタバレ部分を○○で表しています。

第２７回鮎川哲也賞受賞作。神紅大学ミステリ愛好会の葉村譲と明智恭介。二人は名探偵と呼ばれる剣崎比留子の誘いで脅迫状が届いたという映画研究部の合宿に参加することになる。そこでいかにも何かありそうな人間が集まっており、合宿のイベントで肝試しをしているとなんと○○が現れて皆は泊まっている「紫湛荘」に逃げ込む。しかし、そこでも殺人事件が起き……という作品。

序盤はそうでもなかったが、○○が現れてから一気に面白くなったと感じました。ありがちなクローズドサークルに○○を投入することによって新たなクローズドサークルを作りだし、○○が出てくるがパニックものではなくちゃんとミステリーとしてのハラハラを味わえたのでとても良かったです。

ミステリーなので名探偵の比留子だけでなく主人公も事件の真相を考えるが、実は主人公も……。

この小説が世に出てから数年経っており、もう○○の部分が何なのか知っている人も多いかも知れませんが、もしまだ知らないという方がおりましたらどうかその部分を調べたりせずに読んでみてください。今までのミステリーの常識からは考えられないことが起きますのでミステリー愛好家の方もそうでない方も新鮮な楽しみを得ることができると思います。

実写映画化もしており、そちらは大筋は一緒ですが、キャラやストーリーがコメディ寄りになっており、トリックも小説と比べて大分端折っていたので、本格ミステリーを味わいたいなら小説、コメディ調のミステリーを味わいたいなら映画を観るといいかもしれません。

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